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メガネとコンタクトレンズ

メガネ

『メガネをかけると近視が進む』『メガネをかけたり外したりすると余計に近視がひどくなる』!?!?
このような迷信をお持ちの本人やご両親にメガネの正しい知識を提供したいと思い、メガネを必要とする場合やメガネを装用する時期についてお話しします。

<近視>

近視のメガネで悩むのは学童期が多いと思います。
しかし、学童期には自覚的な矯正視力検査のデータが近視を示しても、調節緊張(仮性近視)が混じっていることが多いので、他覚的屈折検査や調節筋の麻痺剤(専用の目薬)を点眼しておこなう精密屈折検査でその有無を確かめる必要があります。その結果、調節緊張があれば、まず、それを治療します。(目薬治療やワック治療です。)治療しても十分な視力が得られない場合にメガネ装用の適応になります。
では、メガネを装用する時期はいつがいいのでしょう。
学童においては、黒板の字の大きさや教室の広さ、学年によって必要な視力が違いますので、『授業に支障が出てきたとき』が、その時、と考えられます。
ただし、精密屈折検査で近視の程度がつよいとわかった子には、早めにメガネをかけさせたほうが良いです。初めてかけるメガネが、もっとつよい度数のメガネだとくらくらしてかけにくくなるからです。
又、斜視傾向のある子どもや、不同視(右目と左目の見え方がたいへん違うこと)のある子供には、早めにメガネを処方します。

<遠視>

遠視が強くなると、眼精疲労を生じるだけでなく遠方も近くも見えにくくなります。老眼のあり得ない子供でも、疲労を訴えたり、遠見・近見視力が不良の場合はメガネの装用が必要と考えています。
幼児や就学前の子で遠視が強くて調節性内斜視がある場合は良好な視力を得るため、及び内斜視の治療として、メガネの装用が必要となります。
子供は+4.0D〜+5.0Dの遠視があると弱視になることがあり、+3.0D以上では調節(物にピントを合わせようとする機能)にともなって内斜視を合併することがあるのです。治療は完全屈折矯正(本来の遠視の度数そのままのメガネをかける)です。
学童期以後の場合は、+2.0D未満の遠視は、右目と左目の見え方がひどく違わなければ(不同視)そのまま様子をみていいでしょう。

<乱視>

軽い乱視の方は、若いときにはそこそこ視力がでていても、年齢とともに調節力が落ちると視力が低下します。学業や車の運転などに支障がでたり、眼精疲労が生じてきたときにはメガネが必要になります。

POINT
小児の視力は生後1ヶ月には0.05程度であったものが5〜6歳までに1.0まで発達します。弱視と診断した場合、小学校低学年までのできるだけ早い時期にメガネ装用、片目遮蔽、弱視訓練などの治療を開始しないと、成長してからメガネやコンタクトレンズを装用しても一生良好な視力は得られません。
3歳児健診、就学前健診の意義はここにもありますね。
医師

 

コンタクトレンズ

コンタクトレンズ

コンタクトレンズもメガネも屈折異常を矯正するレンズという意味では同じものです。ここではコンタクトレンズの特徴をお話します。

コンタクトレンズの長所

  1. 視野が広い
  2. プリズム作用がほとんどない
    レンズを通して物を見たとき、物が実際の位置からずれて見えることをプリズム作用といいますが、コンタクトレンズではほとんど無視できます。
  3. 収差の影響が小さい
    レンズを通して物を見たとき、周辺部で歪んで見えたり、ぼやけて見えたりするのは収差の影響ですが、コンタクトレンズでは、レンズと目の間の隙間がありませんので、ほとんど歪みません。
  4. 網膜像の変化が小さいので、度数が強くても、遠視用のメガネのように物が大きく見えたり、近視用のメガネのように物が小さく見えたり、という問題がありません。
  5. ハードレンズは黒目(角膜)とレンズの間に入った涙液により角膜のゆがみやでこぼこが消されるので、メガネで矯正が不可能な円錐角膜の方やけがや病気で不正乱視になった方もかなり見やすくなります。
  6. 強い度数のレンズも軽量
  7. 湯気などで曇らない

コンタクトレンズの短所

  1. コンタクトレンズの洗浄・着脱などのやり方や管理をきちんと学習することが必要
  2. 装用時に異物感や乾燥感などがあり、慣れの個人差がある
  3. 結膜や角膜に病気があるときは使用できない
  4. 角膜などに障害を起こすことがある
  5. 充血や乾燥による違和感には人工涙液の点眼が必要である

ハードコンタクトレンズ(HCL)とソフトコンタクトレンズ(SCL)

HCLのいいところ
  1. 屈折矯正効果が高く、乱視の矯正にも効果的
  2. 取り扱いが簡単
  3. 酸素透過性に優れ、長時間装用に向いている
HCLのちょっと悪いところ
  1. レンズが硬めなので異物感が強い場合がある
  2. レンズが角膜より小さいのでレンズがずれたり、剥がれやすい場合がある
SCLのいいところ
  1. レンズがやわらかく直径が大きいので異物感が少なく、装用感がよい
  2. レンズが角膜より大きいのでレンズがずれにくい
SCLの悪いところ
  1. 乱視矯正効果が低い(トーリックソフトコンタクトレンズはOK)
  2. 目の障害が発生しても症状を自覚しにくいので、重症化しやすい
  3. 消毒やタンパク除去処理など、レンズのケアが多少面倒

コンタクトレンズの怖い合併症!

<細菌性角膜潰瘍>

角膜に混濁や腫れがでれば細菌の感染を、まず疑います。 充血、異物感。眼痛があればすぐに眼科を受診してください。

<角膜真菌症>

真菌(カビ)による角膜潰瘍になってしまうと非常に厄介です。コンタクトレンズの洗浄や消毒は正しく実行して感染を防ぎましょう。

<アカントアメーバ角膜炎>

アカントアメーバ角膜炎 ソフトコンタクトレンズが煮沸消毒されていたころは、アカントアメーバは熱に弱いため、稀な合併症でした。最近は薬液による消毒(化学消毒)が普及し、この角膜炎を発症する方が増加してきました。注意が必要です。

<アレルギー性結膜炎・巨大乳頭結膜炎>

乳頭結膜炎 コンタクトレンズを装用しているうちに、涙液中に存在する異物や分泌物が付着し、これがアレルゲンとなりアレルギー性結膜炎を引き起こします。初期はかゆみや目やに程度ですが、そのままにしていると、装用中に曇ったり、コンタクトレンズが上方にずれて違和感や視力低下を自覚するようになります。 ここまでになると、まぶたの裏側に直径1mm以上の大きな乳頭が増殖し巨大乳頭結膜炎と呼ばれ、角膜に障害も起こすことがあります。

コンタクトレンズのケアについて

コンタクトレンズ コンタクトレンズの消毒は今のところソフトコンタクトレンズのみに義務付けられています。ハードコンタクトレンズに消毒の必要がないわけではなく、洗浄によってほとんどの微生物を落とし、保存液には静菌作用のある薬剤が用いられているので微生物の増加を抑えることが可能です。
しかし、ソフトコンタクトレンズは薬剤が吸着しやすい性質があり、その薬剤によって目の障害が起こるので、ハードコンタクトレンズの保存液のような薬剤は使えません。だから、ソフトコンタクトレンズには消毒が必要なのです。

<ソフトコンタクトレンズの消毒方法>

煮沸消毒と薬剤を用いる消毒(化学消毒)があります。
化学消毒の特徴を理解しましょう。
  1. 過酸化水素消毒システム
    過酸化水素は強力な消毒効果を持ちますが、角膜や結膜に強い障害を起こすので、過酸化水素をレンズに残留させないように「中和」という操作をします。外したレンズは専用のケースに入れて規定の時間の消毒と中和を必ずしてください。
    例)コンセプトF、エーオーセプト
  2. MPS(マルチパーパスソリューション)
    ソフトコンタクトレンズに必要とされる4つのステップ(洗浄・すすぎ・保存・消毒)を1つの液で賄おうというケア用品です。消毒剤としての界面活性剤の濃度は低濃度に調整されています。外したレンズをMPSでよくこすって洗浄し、十分すすいでからケースに入れ、ケース内に同じ液を満たして、一定時間以上、浸しておいてください。
    例)レニュー、オプティフリー、コンプリート

コンタクトレンズ御使用の皆様へ

化学消毒は、熱消毒のようなレンズの劣化や変性固着したタンパクによる巨大乳頭結膜炎は起こしにくいのですが、中和をうっかり忘れてレンズを装用し、急性薬剤性角結膜炎を起こして外来受診をされる方が増えています。
コンタクトレンズの便利さ、快適さを十分に生かして生活するために、コンタクトレンズの正しいケアの方法を身につけてくださいね。
医師

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