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目の病気

緑内障

緑内障とは

緑内障とは失明にいたる目の病気です。なんらかの原因で視神経が障害され視野、つまり見える範囲が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因のひとつといわれています。
一般的には、自覚症状はなく、症状はゆっくりと進行し、放置すると失明にいたります。したがって、早期に発見し適切な治療を受ける必要があります。わが国では40歳以上の人の約30人に1人いるといわれており、失明の原因として糖尿病についで多い原因疾患です。(2001〜2002年 多治見市での疫学調査では5.78%も有病率があります。)
今後、高齢化が進むにつれて、ますます増えると考えられます。

眼圧(目の硬さ)と緑内障

眼球 目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水と呼ばれる液体が流れています。房水は毛様体でつくられ角膜や水晶体に栄養を与えるとともに、隅角にあるシュレム管から少しずつ排出されます。
眼圧は時間や季節によって多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。
ところがこの房水の流れが悪くなったり、隅角の部分が目詰まりをおこしたりすると房水が目の中に溜まって、眼圧が高くなり、視神経が圧迫され、視野障害がおこります。
つまり、緑内障とは眼圧と視神経のバランスが崩れ、視神経が障害される病気です。

眼圧の正常値は10〜21mmHgとされていますが、この数値より高くなると緑内障になる、あるいはこの数値より低ければ緑内障にならない、というような数値上の目安はありません。
どのくらいの圧力で視神経に障害が起こるかは、その人の視神経の強さによって異なります。
また眼圧が正常でも、その人の視神経が弱い場合は緑内障になることがあります。このような緑内障を正常眼圧緑内障といい日本人の慢性緑内障のなかでは、最も多いタイプです。

緑内障の種類

緑内障には、急に眼圧が上がって、目の痛み・頭痛・吐き気などを伴う急性のものと、自覚症状がないまま徐々に進行する慢性のものがあり、患者さんの約95%は、慢性の緑内障です。

急性緑内障(緑内障発作)

目の中の水の出口である隅角が狭いタイプの人におこりやすく、突然視力が低下し眼が痛くなったり、充血したり、頭が痛くなったり、また気分が悪くなって嘔吐したりします。この様に発作的に症状を起こし、大きな発作の場合は1〜2日で失明に至ることもあります。また軽い発作を繰り返す場合もあります。大きな発作で吐き気や嘔吐を伴った場合は、眼科の病気ではなくて内科の病気と間違えられやすいものです。すみやかに診察を受けて治療しないと、神経や血管に悪影響を与えて失明してしまいます。

治療

点滴、内服、点眼薬で速やかに眼圧を下げねばなりません。その後、通常はレーザー照射を行って虹彩に小さな孔を開け眼内の水の流れをスムーズにします(レーザー虹彩切開術)。それでも眼圧が下らなければ手術が必要となります。また眼の症状によってレーザー治療ができない場合があり、この時は最初から手術が必要となります。

慢性緑内障

慢性緑内障の場合は、自覚症状が全くないか、極わずかで、自分で気が付かない間に発病し、何年かを経て進行する場合が多いです。特に中年過ぎの人に多く、老眼と間違えられることが多いものです。自覚症状としては、以下が代表的なものです。
  • 眼が疲れやすい。
  • 光を見たとき色のついた輪がみえる。
  • 時々、眼がかすむ。
  • 視野が狭い、見えないところがある。
この緑内障は、ほかにどこも悪くなく、これといった症状もないのに、ただ眼圧だけ上がってくる病気で、初期の間は無症状で高い眼圧のまま経過します。しかし、そのうち少しずつ視神経が障害されて、視野つまり見える範囲が狭くなったり、最終的には視力がおちてきて、放置すれば失明にいたります。

治療

慢性緑内障の治療については、まずは、目薬で眼圧を下げることが基本になります。緑内障のタイプや病状の進行の度合い、視神経の状態、視野の状態などを総合的に判断して、目標とする眼圧の値を決め、その目標値を常に維持できるように、目薬でコントロールしていきます。
目薬で眼圧のコントロールができない場合は、手術療法が必要になります。しかし、手術をすれば緑内障が治るというわけではありません。眼圧がどうしても薬で下がらないとき、手術によってコントロールするわけです。

小児の緑内障について

小児の緑内障は、成人の緑内障に比べると稀ですが、時にあります。
先天性緑内障(牛眼)、発育異常緑内障が多く、手術で治療します。
また、若年性リウマチなどステロイド療法が必要な全身病のある子供たちはステロイド療法をおこなうと11〜40%に続発緑内障の発症があります。定期的な観察が必要です。
医師

目の他の病気や外傷(けが)による緑内障

ぶどう膜炎や増殖糖尿病網膜症あるいはその他の網膜の病気が未治療あるいは十分でなかったときは、かなり予後の悪い緑内障を発症します。飲み薬や目薬あるいは複数回の手術によっても治りにくく視神経が傷んで失明してしまう人も少なくありません。このような重症の緑内障にならないように、原因である元の病気をきちんと治療継続していくことがもっとも大切なことです。
医師

緑内障の視野障害

視野障害は、視野の中心部分の周囲、特に鼻側から徐々に進行していきます。末期になると、視野の中心を担っている視神経線維も障害されるため、視力も低下してきます。
通常は両方の目で見ているため視野の異常に気づかず、視野障害を自覚したときには、視神経の約70%まで障害されている場合がほとんどです。
正常視野 緑内障の視野障害
正常視野 緑内障の視野障害 58才 男性 原発性開放隅角緑内障

POINT
慢性緑内障の中には、眼圧が正常範囲でも、緑内障になる人もあります。これを正常眼圧緑内障と呼び近年おこなわれた調査の結果、欧米に比べ日本人に多いということがわかりました。
医師

緑内障の検査

1.眼底検査・・・
直接目の奥をみて視神経の状態を調べます。緑内障発見のための必須検査です。
正常視神経乳頭 緑内障による乳頭陥凹の拡大
正常視神経乳頭 緑内障による乳頭陥凹の拡大
58才 男性 原発性開放隅角緑内障
2.眼圧検査・・・
緑内障の診断や治療効果の判定に重要な検査です。
痛み止めの目薬を点眼した後で直接目に接触する測り方と、空気でポンと測る方法があります。
Goldmann圧平眼圧計 ノンコンタクトトノメーター
Goldmann圧平眼圧計による眼圧測定 ノンコンタクトトノメーターによる眼圧測定
3.視野検査・・・
見える範囲を測定します。緑内障の診断だけでなく、管理に重要です。
視野検査 (これは視野検査をしているところです。この検査は、コンピューターで自動的に測定するため、迅速かつ正確に視野を調べることができます。)
4.隅角検査・・・
緑内障の病型を把握するために必要な検査。緑内障の原因が閉塞型なのか開放型なのか、炎症性のものなのかなどの情報を得ます。

POINT
早期発見・早期治療が大切!緑内障は完治することがないので、一生つきあっていく必要があります。しかし、治療技術の発達によって、緑内障になっても、不便なく一生を過ごす人が多くなりました。そのためには、早期発見、早期治療が大切です。一度障害された視神経を元に戻す方法はありませんので、病気の進行をくい止めることが目標になります。40歳を過ぎたら、1年に一回は検査を受けるようにしましょう。
医師

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